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印刷漢字認識

周辺分布を用いた文字認識手法を提案し、単一字体印刷漢字認識に適用した。 その発展で、周波数領域における階層的パターン整合法を提案した。

印刷漢字認識の研究は世界的に見てもかなり早いものだったが、 当時は印刷漢字認識のニーズはなく、実用化されなかった。しかし一連の研究成果は、 後に手書き漢字認識に大きな影響を与えた (ストローク密度分布、非線形正規化など)。

この成果を引っ提げて、初めて海外出張した (First ICPR)。 円が安く(1 U.S.$ = 280 Yen)、安月給の身には苦しかった。 この会議に出席され、後に文字認識研究の世界的権威となった Prof. Suen も未だ若く、 私や、電総研の森俊二氏、東芝の森健一氏に、いろいろ質問していたことを記憶している。

周辺分布の考え方を逆にすれば、CT (Computer Tomography) になる。 会議や訪問先では、私の研究と CT との関連をいろいろ聞かれたが、 日本では CT の必要性が認識されていなかったこともあって、質問の背景を把握できなかった。 CT が OCR より遥かに大きなビジネスになると予想できていたら、 CT 屋に転身したところだが、それだけの先見性がなかった。残念。

印刷漢字認識関連の研究成果を学位論文にした

参考文献

  1. 中野、中田; 周辺分布とそのスペクトルによる漢字の認識, 電子通信学会論文誌, Vol. 56-D [3], pp.146-153 (1973)
  2. Y.Nakano and K. Nakata; Improvement of Chinese Character Recognition Using Projection Profiles, Proc. 1st ICPR, pp.172-178 (1973)
  3. 中野、安田、中田; 周波数領域での階層的パターン整合法による漢字認識, 電子通信学会論文誌, Vol. 58-D [2], pp.94-101 (1975)
  4. 中野、安田、中島; 印刷文字認識における位置ずれ補正の効果, 情報処理, Vol. 16 [12],pp.1064-1070 (1975)

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First Written Before January 10, 1995
Transplanted to KSU Before August 27, 2003
Transplanted to So-net May 4, 2005
Last Update July 11, 2005