周波数領域での階層的パターン整合法による漢字認識

中野康明、安田道夫、中田和男

電子通信学会論文誌 , Vol.58-D [2], pp.94-101 (1975)

あらまし

単一字体印刷漢字認識に適した認識手法として、周辺分布のスペクトルの利用、 階層的パターン整合法、加重相関法の三つが提案されているが、 本論文ではこの3手法の長所を総合したものとして、 階層的パターン整合法を2次元周波数スペクトル領域で行う手法を提案する。 周波数スペクトル領域では、 パターン処理でよく用いられる2次元畳込みがスペクトルの積の形で表現されるため、 1次元的処理に還元される利点がある。 又、本手法では各層での標準パターンとして同一のものを使用できる。 本手法を計算機シミュレーションにより、当用漢字 1,850 字を対象として認識実験を行った。 4号明朝体によるタイプ印字サンプル 3,700個について、位置ずれ補正を行ったとき、 誤認識率 0%、リジェクト率 0.05%、位置ずれ補正を行わないとき、誤認識率 0%、 リジェクト率 0.2% という結果を得た。

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First Written Before June 16, 1998
Transplanted to KSU Before May 15, 2003
Transplanted to So-net May 3, 2005
Last Update April 8, 2007

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