周辺分布とそのスペクトルによる漢字認識の改良

中野康明、中田和男、中島晃

電子通信学会論文誌 , Vol.57-D [1], pp.15-22 (1974)

あらまし

二次元文字パターン直線上への投影である周辺分布または そのスペクトルを利用した文字認識法は認識速度が速く標準パターンメモリが少ない利点があり 筆者らも印刷活字に適用して好結果を得た。

スペクトルを用いる方法は文字の位置ずれには強いが文字の線幅の変化に対しては弱い。 本論文の前半では上記の欠点を改良するための手法を述べる。 まず、認識に使用する周波数帯域の上限および下限について系統的な実験を行い 、最適帯域を求めた。 その結果上限周波数と文字線幅との関係に関する理論的な予測は実験的にも確認された。 また線幅変動の影響の周波数領域における補正法を提案し、実験的にその効果を示した。

後半では、周辺分布のスペクトルの拡張として二次元振幅スペクトルを用いる方法と その簡易化とを検討し、きわめてすぐれた性能を有することを示し、 さらに周辺分布を利用した準二次元非線形伸縮整合法を提案し、 異種字体の印刷漢字認識に適用した。

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First Written March 23, 2000
Transplanted to KSU Before May 17, 2003
Transplanted to So-net May 3, 2005
Last Update April 12, 2007

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