情報科学総合コースの学習・教育目標

2003年3月 設定(大項目・中項目)
2005年3月 設定(小項目)
2008年3月 一部改訂
2009年3月 一部改訂

 情報科学総合コースでは,情報科学部の掲げる2つの目標を大項目とし,これらを中項目,小項目に細分化することにより学習・教育目標を設定し,学内外に広く公開しています.そして,各小項目に対して,学習・教育目標を達成するために学習すべき主要な科目,すなわち,達成度を評価するための主要な科目を情報科学総合コース必修科目として設定しています.以下に情報科学総合コースの学習・教育目標とその達成度を評価するための主要な科目を示します.達成度を評価する主要な科目は各小項目の後に学習内容として記しています.

A. 情報科学・情報技術の基礎を確実に身につけ,高い倫理観を持った職業人として社会に貢献する人材の育成.

A-1: 科学的基礎を身につける.

A-1-1. コンピュータとネットワークについて基本的な事項を知り,情報の受発信の基礎的な技能とモラルを身につける.[学習内容]情報リテラシー,情報リテラシー演習
A-1-2. 微分積分,線形代数の基本事項を知り,問題を数学的に思考する基礎を身につける.[学習内容]微分積分T,微分積分U,線形代数T,線形代数U
A-1-3. 自然科学のある分野について知り,自然科学的方法論を問題解決に応用する基礎を身につける.[学習内容]物理学または現代自然科学

A-2: 情報科学・情報技術の基礎を身につける.

A-2-1. 集合,ブール代数,論理学など,離散数学の基礎を身につける.[学習内容]離散数学T(集合論),グラフ理論,離散数学U(代数系),数理論理学
A-2-2. プログラミングの基礎に加えて,抽象データ型やクラス,基本的なアルゴリズムをプログラミングできる能力を身につける.[学習内容]プログラミング基礎,データ構造とアルゴリズムT,データ構造とアルゴリズムU,データ構造とアルゴリズムV,ソフトウェア演習,Webプログラミング演習またはグラフィックスプログラミング演習
A-2-3. 命令語の実行から,計算機全体のレベルの動作まで,講義だけではなく,アセンブリプログラミング実習も行って,実践的な能力を身につける.[学習内容]計算機アーキテクチャ,計算機システム
A-2-4. ネットワークについて,その基本的な仕組みを理解し,さらにその実現の基本となるプロトコルを学ぶ.[学習内容]コンピュータネットワークまたはインターネット工学
A-2-5. オブジェクト指向設計手法において必須である図の描き方を修得し,演習を通じて様々な設計事例を学ぶ.[学習内容]オブジェクト指向設計
A-2-6. 組合せ回路,順序回路の基礎を身につける。また実際の機械を制御するための回路を設計し,実装する.さらに簡単なCPU設計も体験する.[学習内容]情報回路T,情報回路U,情報回路V,情報回路実験T,情報回路実験U
A-2-7. プログラミングとコンパイラの両面から,プログラム言語についての理解を深める.[学習内容]プログラミング基礎,プログラミング言語とコンパイラ
A-2-8. 確率論の基礎を身につけ,さらに情報理論や符号理論との関わりを学ぶ.[学習内容]情報理論・確率論
A-2-9. 統計学の基礎を身につけ、具体的なデータ解析を通して統計手法を利用できる能力を身につける.[学習内容]統計学

A-3: 職業人としての基礎的能力を身につける.

A-3-1. 技術者倫理の重要性と実際に倫理的な行動をとることの難しさを理解し,技術が自然や社会に与える影響について考えることができる.[学習内容]情報技術者倫理
A-3-2. 日本語について,論文やレポートの形式と書き方を学ぶことにより,日本語文章の論理的な記述力を養う.また,情報科学に関連したテーマの調査,分析,討論により日本語の発表力,コミュニケーション能力を養う.[学習内容]日本語表現法、情報科学演習T,情報科学演習U,卒業研究
A-3-3. 外国語について,国際語として重要な英語によるコミュニケーションを学習することにより,国際的コミュニケーション技術の基礎を身に着け,さらに,英語についてより深く学ぶかまたは第二外国語を学ぶ.[学習内容]外国語科目(英語系科目6単位以上を含み10単位以上)

B. 社会の仕組みや人間の特質を知って情報技術を適切に適用できる能力をもった人材の育成.

B-1: 基礎教養を身につける.

グローバル化社会・情報化社会の進展に対応できる幅広い知識と思考法を、専門分野の枠を越えて身につける.また,社会そのものの動向・問題を理解し、社会に有用で人の役に立つシステムの設計・開発に活かすことができる知識や思考法,知的な技法を獲得する.[学習内容]情報科学序説,基礎教育科目(人文科学・社会科学・自然科学から4単位以上を含み10単位以上)

B-2: 高度の専門技術を身につける.

B-2-1. 情報科学・情報技術に関する専門的テーマのいずれかについて,調査,分析,討論,実装などの方法を学ぶ.[学習内容]情報科学演習T,情報科学演習U,卒業研究
B-2-2. 専門的テーマの研究を通して,情報科学・情報技術の最新の動向を理解する.[学習内容]情報科学演習T,情報科学演習U,卒業研究

B-3: 応用能力を身につける.

B-3-1. 情報科学・情報技術に関する重要な課題に対して,納期・費用・品質などを考慮して,それまでに学習した知識・技術を応用する方法を学ぶ.[学習内容]エンジニアリングエコノミー,情報科学演習T,情報科学演習U,卒業研究
B-3-2. 各人に与えられた研究課題について,主体的・計画的に文献調査,実験,研究討論などを行い,その成果を卒業論文としてまとめる方法を学ぶ.[学習内容]情報科学演習T,情報科学演習U,卒業研究
B-3-3. 一年間の継続的研究活動を通じて,技術者として必要とされる考察力,判断力,創造力を養い,より高度な学問分野への取り組み方や技術者として社会に貢献できる能力を身につける.[学習内容]情報科学演習T,情報科学演習U,卒業研究